自由な箱

単なる箱。
必要諸室の面積から求められた長方形。
中庭やくびれがあるわけではない単純な“四角”。
でっこまひっこましないから、表面積が小さいからローコスト。
重心と剛心が一致しやすく、地震に対して強度がある。。。
なんて、よい点を挙げてみても、時には、「こんなに芸が無くていいのか」と悩んだり。
内部や機能が表出し、結果、カタチになる。
職人の道具と同様に、凛とした精神を感じるデザインには、その考え方は必要最低条件だろう。
良い内装材が、とか、このメーカーのデザイン、とか、こんなテイストで、とか、
およそ表面しか見えていない欲求が私の心に渦巻く。
それに苦しみながら折り合いをつけて、すっぱり捨て去る。
まるで、風邪をひいてダルかった体が、次の日すっかり治った時、雨で洗われたような感覚。


「本当に必要なのか?」


それを悩んで悩んでどれくらい突き詰められたかで、決まる気がする。
多少の増額なんて気にせず、
お金で解決したほうがはるかに気力・労力が少なく済むのだけど、
図面を前に坐し、すぐに時間が経つ、これは私に必要な作業。
現在、工事金額の最終調整段階。
余計なものを捨て去る作業=清貧の魔法を手に入れる手段
そう思って進めなければ。
人の美的感覚には、生まれながらのものも、後天的なものもあると思う。
千差万別。
芸術が自由であるように、人の好みも自由でよい。
世の中には、お仕着せの、デザインのためのデザイン(価値観)もあるから、
知らず知らず、程度の差こそあれ、私もそれに右往左往させられる。


カフェのような内装がいい、、、

間接照明が、、、

(一歩間違えれば)飲み屋の個室のような、、、

それもよいのだけれど、本当に自由な結果か甚だ疑わしい。

そのまま進んだ先には、他人のための自己満足が待っているはず。



自由というのは冷徹で、厳しい。

束縛(庇護)というのは、あたたかく、腐臭がする。

どちらにいても、片方が輝いて見えるのは、人間が弱いからか。


無意識下の刷りこみに気づいた者だけが、

その先に行くチャンスを得ているのだと思おう。
あと、もう少しと信じて。

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Author:gandharva
住宅設計経験は今までも、これからもゼロの一級建築士が他力でプチ二世帯?&アトリエを建てるまでの軌跡を綴ります。

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